Llamaから的確な回答を引き出すプロンプトの書き方
Llamaには「目的」「素材」「想定読者」「出力形式」を伝えます。あらゆる作業に応用できる汎用手法を、良い例・悪い例や改善プロンプトとともに解説します。

Llamaは、学習した知識とあなたが入力したメッセージという2つの要素のみに基づいて回答します。ネット検索はできず、あなたの個人的な状況も把握しておらず、過去のチャット内容を記憶することもありません。そのため、回答の質は指示(プロンプト)の質に大きく左右されます。幸いなことに、的確なプロンプトを作成するスキルは短時間で習得できます。本ガイドでは、「4つの質問」フレームワーク、具体例の比較、仕上がりが微妙なドラフトを改善する追加指示のテクニックを紹介します。
送信前に確認すべき「4つの質問」
Llamaを、初日を迎えた優秀な新人同僚として捉えてみてください。飲み込みが早く博識ですが、あなたのプロジェクトについてはまだ何も知りません。プロンプトを書く際は、以下の4点を明確に含めるようにしましょう。
- 具体的なタスクは何か? 動詞から始めます(作成、要約、説明、比較、リスト化、修正、翻訳、計画など)。1回のメッセージにつき1つの明確なタスクを指定するのが最も効果的です。
- 何をベースにするか? テキスト、数値データ、エラーメッセージ、メモなどを直接貼り付けます。参照元がないと、Llamaはそれらしく聞こえるだけの推測で補おうとします。
- 読者は誰か? 教師、顧客、10歳の子ども、上司、自分自身など。読み手に合わせて語彙、内容の深さ、トーンが変わります。
- どのような出力形式にするか? 表形式、チェックリスト、3つの選択肢、120語以内のメール、解説抜きのコードのみなど。
単純な質問なら1つ目だけで十分です。「ペルーの首都は?」というプロンプトはそれだけで成立します。一方、クライアント向けのメール、学習計画、商品ページなどの作成には、4つの要素すべてが必要になります。
プロンプトの具体例:改善前と改善後
旅行プランの作成
改善前: リスボンへの旅行プランを立ててください。
改善後: 早春に大人2人で行くリスボン3日間の旅行プランを立ててください。 市場巡り、展望台、散歩が好きで、美術館にはあまり興味がありません。 予算は標準的です。午前・午後・夜に分けた1日ごとの表を作成し、 徒歩やトラムを使った場所間の移動方法も簡単に記載してください。
最初のプロンプトでは、旅行パンフレットのような一般的な内容しか返ってきません。改善後なら、自分の興味に合わせたプランが、スマホでも見やすいレイアウトで作成されます。ただし、Llamaは当日の営業時間やチケット料金を調べることはできません。インターネットへのアクセス機能はなく、知識にはカットオフ日(更新期限)があります。旅行前に必ずご自身で詳細を確認してください。
貼り付けたテキストの要約
改善前: これを要約してください [下に長文レポートを貼り付け]
改善後: 以下のレポートを、2分しか時間がない多忙な管理職向けに要約してください。 内容:1)主な結論を1文で、2)それを裏付ける3つの要点、 3)レポートに記載されているリスクや未解決の課題。 本文にある情報のみを使用し、不明な点があれば推測せずにその旨を明記してください。 """ [ここにレポートを貼り付け] """
指示を先頭に書き、参照資料を三重引用符(""")で囲むことで、指示と資料を明確に区別できます。「本文にある情報のみを使用し」と指定することで、事実と異なる内容(ハルシネーション)を大幅に減らせます。
顧客向けの文章作成
改善前: アロマキャンドルの商品説明を書いてください。
改善後: ハンドメイドのソイキャンドルの商品説明を作成してください。 内容量200g、イチジクとシダーウッドの香り、再利用可能なセラミック容器入り。 ターゲット:オンラインでギフトを探している人。 トーン:温かみがあり、大げさすぎない表現。 約30文字、約80文字、約150文字の3パターンを用意してください。
Llama 4での画像プロンプト
当チャットのLlama 4モデル(MaverickおよびScout)は、ホワイトボードの写真、グラフ、外国語のメニュー、エラー画面のスクリーンショットなどの添付画像を認識できます。1回のメッセージにつき1枚の画像を添付可能です。テキストと同様に、画像を使って何をしたいかを正確に指示することが重要です。
改善前: [写真] これは何ですか
改善後: [手書きの買い物リストの写真] このリストをテキスト化し、 スーパーの売り場ごとにグループ分けしてください。 判読できない文字は推測せず、(?)と表記してください。
読み取れない箇所を推測させない指示は非常に重要です。モデルは不鮮明な文字を無理に推測して「読んで」しまうことがあるためです。なお、Llama 3.3 70BとLlama 3.1 8Bはテキスト専用モデルです。これらを選択中に画像を添付すると、自動的にLlama 4 Maverickに切り替わります。詳細については適切なLlamaモデルの選び方をご覧ください。
効果的な5つのテクニック
明確な評価基準を設定する
「専門家として振る舞ってください」と頼む代わりに、その専門家がどのような基準で判断するかを指定します。「50通の応募書類をチェックする採用担当者の視点でこのカバーレターをレビューし、読むのをやめたくなるような箇所を指摘してください」。役割設定は、モデルの着眼点を変える場合にのみ効果を発揮します。
言葉で説明せず、実例を見せる
「プロフェッショナルな」や「親しみやすい」といった言葉のニュアンスは人によって異なります。気に入った文章を2〜3行貼り付けて、「この例文のリズムや語彙に合わせて書いてください」と指示しましょう。Llamaは抽象的な形容詞よりも、具体的なパターンの模倣を得意としています。
まず質問してもらう
規模の大きな作業を依頼する場合、プロンプトの最後に「執筆を始める前に、必要な質問を最大5つ私に投げかけてください」と書き添えます。これにより初稿のクオリティが上がり、自分が伝え忘れていた前提条件にも気付けます。ぜひチャットでインタビュー形式のプロンプトを試してみてください。
複数の選択肢を出させてから選ぶ
1つの見出しを6回書き直させるよりも、「異なるスタイルの見出し案を6つ出してください」と頼む方が効率的です。最も良いものを1つ選び、それをベースにバリエーションを展開しましょう。
難問はステップごとに解かせる
計算、論理的思考、コードのデバッグなどでは、「ステップごとに段階を追って考え、最終的な答えだけを独立した行に出力してください」と指示します。最後にポンと出された答えを鵜呑みにせず、途中のプロセスを検証できるようになります。
最初からやり直さず、追加指示で調整する
チャットは同一スレッド内の文脈を保持しているため、2回目以降のメッセージこそが仕上がりを左右します。下書きの精度を上げる定番の追加指示:
- 「文字数を半分にしてください。事実関係は残し、前置きは削ってください。」
- 「2段落目のトーンが理想的です。他の段落もこれに合わせて書き直してください。」
- 「車を持っている前提になっていますが、持っていません。プランを修正してください。」
- 「回答にあたって置いた前提条件をリストアップしてください。確認して修正します。」
- 「選択肢、費用、手間の列を持つ表形式に変換してください。」
当チャットでは、過去のメッセージを編集して再送信したり、回答を再生成して複数のバージョンを比較したりできます。最初のプロンプト自体がズレていた場合は、修正指示を重ねるよりも元のメッセージを編集する方が効果的です。会話が長くなり話が噛み合わなくなったり、最初の前提を忘れ始めたりした場合は、一度これまでの決定事項を要約させ、その内容を新しいチャットに貼り付けて仕切り直しましょう。長すぎるチャット履歴は、モデルに送信される前に一部切り詰められます。
モデルごとの使い分けのコツ
- Llama 3.1 8B:当チャットで最も軽量なモデルです。1回に指示するタスクを1つに絞り、シンプルなフォーマットを指定してください。文章のリライト、短い回答、アイデア出しなどに最適です。
- Llama 3.3 70B:テキスト処理において高い性能を持つ万能モデルです。箇条書きで要件を番号付けすると、漏れなく対応してくれます。
- Llama 4 Maverick(デフォルト)およびLlama 4 Scout:画像入力にも対応しています。画像から何を読み取ってほしいかを同じメッセージ内で明確に指定してください。
どのモデルを使う場合でも、出力してほしい言語で指示を入力してください。Metaのモデルカードによると、Llama 4は公式に12言語、Llama 3.3および3.1は8言語をサポートしています。その他の言語も利用可能ですが、精度が低下する場合があります。
よくある落とし穴
- 最新の出来事について質問する:LlamaにはWeb検索機能がありません。最新ニュース、価格、時刻表、カットオフ日以降の情報については、最新の情報源を参照してください。
- 誘導尋問をする:「なぜプランAの方が優れているのですか?」と聞くと、モデルはそれに同調しがちです。「各案のデメリットも含め、プランAとプランBを比較してください」と客観的に尋ねましょう。
- 関連性のない複数のタスクを一度に頼む:メッセージを分けるか、番号を振って整理してください。
- 不要な個人情報を入力する:氏名、住所、アカウント番号などは[顧客名]などのプレースホルダーに置き換えてください。理由はAIのプライバシーと安全性ガイドで解説しています。
- 自信ありげな回答を事実と鵜呑みにする:文章が流暢であることと、内容が正確であることは別です。AI回答のファクトチェック方法をご確認ください。
よくある質問
完璧なプロンプトのテンプレートはありますか?
ありません。4つの質問(タスク、参照資料、読者、形式)を押さえれば大半の用途に対応できますが、最も優れたプロンプトとは「あなただけが知っている詳細な前提条件」が過不足なく盛り込まれたものです。凝った言い回しよりも、明快さが大切です。
プロンプトは英語で書く必要がありますか?
その必要はまったくありません。Llamaは基本的に話しかけられた言語で返答するように設定されているため、回答してほしい言語でそのまま入力してください。別の言語で出力させたい場合は、「ポルトガル語で回答してください」のように明示します。
同じプロンプトでも回答が毎回異なるのはなぜですか?
大規模言語モデルは次に続く単語を一定の確率に基づいて選択するため、実行するたびに表現が変わります。何度か再生成を試し、一番良い回答を選んでください。仕組みの詳細はLLMの仕組みで解説しています。
チャットをまたいで好みの設定を記憶してくれますか?
いいえ。新しいチャットは毎回初期状態で開始されます。過去の履歴はブラウザ内に保存されるため以前のチャットを開き直すことは可能ですが、新規チャットには引き継がれません。決まった前提条件がある場合は会話の冒頭に貼り付けるか、あらかじめ指示が組み込まれている各種アシスタントをご利用ください。
プロンプトの長さに制限はありますか?
必要な情報を網羅できる十分な長さが確保されており、数段落程度のコンテキストを含めるのは問題ありません。極端に長い文書を扱う場合は、1回のリクエストで送信できるテキスト量に上限があるため、何回かに分けて送信し、各パートの要約を依頼することをおすすめします。


